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ケアマネの給料が上がらないのはなぜ?国のデータで見る4つの理由と、処遇改善で変わること

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監修者

名前 / Name  
大石 智之

実績 / Achievements
介護・福祉業界に入り、現場のホームヘルパーとして介護の実務経験を積む。

その後、デイサービスの立ち上げおよび責任者、訪問介護事業所の立ち上げおよび責任者、福祉用具貸与事業所の責任者を歴任。

さらに、居宅介護支援・訪問介護・福祉用具・デイサービスの各事業を統括する責任者として、介護事業の運営・マネジメントに携わる。

約7年間の勤務を経て独立し、居宅介護支援事業と福祉用具事業を柱として株式会社ログを設立。

設立後は地域に根ざした介護・福祉サービスの展開を進め、現在は居宅介護支援事業所10事業所を中心に、複数の介護・福祉事業の経営・運営を行っている。

現場の介護職から事業所の立ち上げ、管理・統括、そして経営まで、介護・福祉事業に幅広く携わっている。

「責任は増えているのに、ケアマネになってから給料が上がらない」と感じていませんか。国のデータを見ると、ケアマネの給与の伸びは介護職員より小さく、介護職員として働く資格保有者の方が高いという逆転も起きています。一方で、2026年6月からは居宅介護支援にも処遇改善加算が新設されました。この記事では、給料が上がりにくい理由と制度の変化、今できる対策を解説します。


目次
  1. データで見るケアマネの給料の現状
  2. ケアマネの給料が上がりにくい4つの理由
  3. 処遇改善加算の対象拡大で変わること
  4. ケアマネが給料を上げるための現実的な選択肢
  5. ケアマネの給料が上がらないことについてのよくある質問
  6. ケアマネの給料が上がらないことについてのまとめ

データで見るケアマネの給料の現状

「上がらない」という実感が本当なのかを、まずは国の統計で確認しましょう。ここでは、厚生労働省の調査からケアマネの平均給与額と、前年からの伸び、年収の目安を紹介します。

常勤ケアマネの平均給与額は月37万5,410円

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、処遇改善加算を取得している事業所で働く月給・常勤の介護支援専門員の平均給与額は、2024年9月時点で375,410円でした。このうち、基本給と毎月決まって支払われる手当を合わせた平均基本給等は290,340円です。

平均給与額には、基本給と毎月の手当に加えて、賞与などの一時金の月割り分も含まれています。基本給等と平均給与額の差には一時金などが含まれるため、同じ月給の求人でも、賞与の有無や金額によって年収に差が出ることを押さえておきましょう。 (出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06gaiyou.pdf )

1年間の伸びは介護職員より小さい

同じ調査で2023年9月と比べると、介護支援専門員の平均給与額は11,650円の増加でした。一方、介護職員は13,960円の増加で、ケアマネの伸びは介護職員を下回っています。調査対象の職種の中でも、ケアマネの伸びは小さい部類に入ります。

年収は約441万円、平均年齢は50代

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、令和7年賃金構造基本統計調査をもとにしたケアマネの年収は441.3万円、平均年齢は53.1歳です。経験や年齢を重ねた人が多い職種であることを考えると、「年齢や責任に見合っていない」と感じる人が多いのも無理はありません。 (出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「介護支援専門員/ケアマネジャー」https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/132 )


ケアマネの給料が上がりにくい4つの理由

給料が上がらない原因は、本人の努力不足ではなく、報酬の仕組みや事業所の収入構造にあることがほとんどです。ここでは、ケアマネの給料が上がりにくい代表的な理由を4つに整理します。

理由1:居宅介護支援は長く処遇改善加算の対象外だった

介護職員の給与は、処遇改善加算による賃上げが繰り返し行われてきました。一方、居宅介護支援は2026年5月まで処遇改善加算の対象外でした。令和6年度の調査でも、処遇改善加算の取得状況の集計対象に居宅介護支援は含まれていません。事業所の収入に賃上げの原資が上乗せされにくかったことが、伸びの差につながっています。

理由2:事業所の収入が担当件数に左右される

居宅介護支援事業所の収入は、主にケアプランを作成した利用者の数に応じた介護報酬です。ケアマネ1人が担当できる件数には上限があるため、どれだけ丁寧に支援しても、件数を増やさない限り事業所の収入は大きく増えません。その結果、給与の原資も増えにくい構造になっています。

理由3:介護職員として働く資格保有者との「逆転」

令和6年度の調査では、介護支援専門員の資格を持ちながら介護職員として働く人の平均給与額は388,080円でした。ケアマネとして働く人の375,410円を上回っています。資格手当や夜勤手当などが加わる現場の仕事から、ケアマネに異動すると手取りが下がるケースがあるのは、こうした構造によるものです。

理由4:昇給の仕組みが整っていない事業所がある

小規模な居宅介護支援事業所では、経験年数や資格に応じた昇給の基準が明文化されていないこともあります。昇給が経営者の判断に委ねられていると、事業所の収支が厳しい年には給与が据え置かれやすくなります。

担当件数や移動が多いほど「割に合わない」と感じやすい

ケアマネの仕事は、担当件数が増えるほど訪問、記録、連絡調整の量が増えます。業務量が増えても基本給が変わらない場合、時間あたりの賃金は下がっているのと同じです。休日の電話対応や、利用者・家族からの相談への対応が勤務時間として扱われにくいことも、「給料が見合っていない」という実感につながっています。


処遇改善加算の対象拡大で変わること

こうした状況を受けて、国は2026年度に介護報酬の臨時改定を行いました。居宅介護支援にとっては大きな転換点です。ここでは、改定の内容と、ケアマネ本人が確認しておきたいポイントを紹介します。

居宅介護支援に処遇改善加算が新設された

令和8年度の介護報酬改定では、これまで処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援などに、新たに処遇改善加算が設けられ、2026年6月から算定できるようになりました。あわせて、加算の対象が介護職員から介護従事者全体に広げられ、幅広く月1.0万円(3.3%)の賃上げを実現する措置が講じられています。 (出典:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1479」https://www.mhlw.go.jp/content/001674610.pdf )

加算を取るかどうかは事業所の判断

処遇改善加算は、事業所が要件を満たして届け出た場合に算定されます。居宅介護支援の場合は、ケアプランデータ連携システムを利用すること、または任用要件や研修計画、職場環境改善の取組などを整えることが要件です。つまり、同じケアマネでも、勤務先が加算を算定しているかどうかで賃上げの有無が変わります。

なお、ケアプランデータ連携システムは2027年1月に介護保険資格確認等WEBサービスへ移行する予定で、移行後はクライアントソフトを入れずにWEB上で利用でき、これまで年額21,000円だった利用料もかからなくなります。費用を理由に導入を見送ってきた事業所にとっては、状況が変わる点です。 (出典:厚生労働省「ケアプランデータ連携システムの介護保険資格確認等WEBサービスへの移行について(介護保険最新情報Vol.1529)」https://www.mhlw.go.jp/content/001730882.pdf )

賃金改善の内容は職員に周知される

加算を算定する事業所は、処遇改善計画書の内容や賃金改善の方法を職員に周知することが求められています。職員から照会があった場合には、書面などで分かりやすく回答することとされています。自分の給与にどう反映されるのかが分からない場合は、遠慮せずに事業所に確認しましょう。

職種間での配分は事業所の判断に委ねられる

処遇改善加算による賃金改善をどの職種にどう配分するかは、事業所の判断で柔軟に決められます。ただし、一部の職員に賃金改善を集中させるなど、職務の内容や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分は行わないこととされています。法人内に介護職員が多い場合でも、ケアマネにも適切に配分されているかを確認する視点を持っておきましょう。


ケアマネが給料を上げるための現実的な選択肢

制度の変化を待つだけでなく、自分から動くことで収入を増やせる余地もあります。ここでは、今の職場で取り組めることと、働く場所を見直す場合に確認したい点を紹介します。

勤務先の処遇改善加算の算定状況を確認する

まずは、勤務先が2026年6月からの処遇改善加算を算定しているかを確認しましょう。算定していない場合、その理由がケアプランデータ連携システムの未導入なのか、就業規則などの整備なのかによって、職員として協力できることもあります。

主任ケアマネの資格を取る

主任介護支援専門員の資格を取ると、管理者や特定事業所加算を算定する事業所の要員として期待され、役職手当や資格手当がつくことがあります。管理業務や後輩指導の責任も増えるため、自分が目指す働き方と合っているかを考えたうえで挑戦しましょう。

記録や連絡の効率化で、担当件数に余裕をつくる

記録の入力や関係機関とのやり取りに時間がかかっていると、担当件数を増やす余裕が生まれません。音声入力やクラウド型の介護ソフト、ケアプランデータ連携システムなどを活用して事務作業を減らすことは、残業を減らすだけでなく、事業所の収入と自分の評価を高めることにもつながります。

給与体系が明確な職場を選ぶ

働く場所を見直す場合は、基本給と手当の内訳、昇給の基準、処遇改善加算の算定状況と配分方法を確認しましょう。求人票の月給だけで比べると、賞与や手当の違いが見えにくいため、年収ベースで比較することが大切です。

施設ケアマネや地域包括支援センターも比べてみる

居宅介護支援事業所以外にも、特別養護老人ホームなどの施設ケアマネや、地域包括支援センターなど、ケアマネの資格を活かせる職場はあります。施設では夜勤のある介護業務と兼務する場合に手当がつくこともあり、給与体系は職場によって大きく異なります。訪問の負担や勤務時間も含めて、自分に合った働き方と収入のバランスを考えましょう。


ケアマネの給料が上がらないことについてのよくある質問

Q. ケアマネの給料は介護職員より低いのですか?

平均では介護職員より高い水準です。ただし、1年間の伸びは介護職員より小さく、介護支援専門員の資格を持ちながら介護職員として働く人の平均給与額は、ケアマネとして働く人を上回っています。

Q. 2026年6月から必ず給料が上がりますか?

必ず上がるわけではありません。居宅介護支援に処遇改善加算が新設されましたが、実際に賃上げが行われるのは、勤務先の事業所が要件を満たして加算を算定した場合です。勤務先の算定状況を確認しましょう。

Q. 処遇改善加算の配分方法は職場に聞いても大丈夫ですか?

問題ありません。加算を算定する事業所には、賃金改善の方法を職員に周知し、照会があれば分かりやすく回答することが求められています。

Q. 施設ケアマネと居宅ケアマネでは、どちらの給料が上がりやすいですか?

施設は以前から処遇改善加算の対象で、事業所内で柔軟に配分することが認められてきました。一方、居宅介護支援は2026年6月から加算が新設されたばかりです。どちらが有利かは法人の方針によって異なるため、個別に確認することが大切です。

Q. 独立すれば収入は増えますか?

独立すると、担当件数と加算の算定状況が収入に直結します。件数を確保できれば収入が増える可能性がある一方、利用者の獲得や事務作業、経営上のリスクもすべて自分で負うことになります。


ケアマネの給料が上がらないことについてのまとめ

ケアマネの給料が上がりにくいのは、居宅介護支援が長く処遇改善加算の対象外だったことや、事業所の収入が担当件数に左右される構造があるためです。2026年6月から居宅介護支援にも処遇改善加算が新設されましたが、賃上げの有無は勤務先の算定状況によって変わります。まずは勤務先の対応を確認し、主任ケアマネの取得や業務の効率化など、自分から取れる選択肢も検討しましょう。


執筆者
ケアマネクスト編集部
ケアマネクスト編集部
ケアマネとして働く方のキャリアの「次」と、事業所のこれからの「次」。
その両方の後押しになるよう、試験や制度、働き方、事業承継の情報をお届けしています。
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