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ケアマネは在宅勤務できる?国が示した「できる業務・できない業務」の線引きと始め方

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監修者

名前 / Name  
大石 智之

実績 / Achievements
介護・福祉業界に入り、現場のホームヘルパーとして介護の実務経験を積む。

その後、デイサービスの立ち上げおよび責任者、訪問介護事業所の立ち上げおよび責任者、福祉用具貸与事業所の責任者を歴任。

さらに、居宅介護支援・訪問介護・福祉用具・デイサービスの各事業を統括する責任者として、介護事業の運営・マネジメントに携わる。

約7年間の勤務を経て独立し、居宅介護支援事業と福祉用具事業を柱として株式会社ログを設立。

設立後は地域に根ざした介護・福祉サービスの展開を進め、現在は居宅介護支援事業所10事業所を中心に、複数の介護・福祉事業の経営・運営を行っている。

現場の介護職から事業所の立ち上げ、管理・統括、そして経営まで、介護・福祉事業に幅広く携わっている。

「ケアマネは訪問があるから在宅勤務は無理」と思っていませんか。実は2024年3月、厚生労働省が介護事業所のテレワークについて職種ごとの考え方を示し、ケアマネジャーも条件を満たせば在宅で働けることが明確になりました。この記事では、国の通知をもとに在宅でできる業務とできない業務の線引き、個人情報の注意点、在宅勤務を始めるための準備までを解説します。


目次
  1. ケアマネの在宅勤務は国の通知で認められている
  2. オンラインでできること・訪問が必要なこと
  3. 在宅勤務で気をつけるべき個人情報と働き方のルール
  4. 在宅勤務を実現するための準備と職場の見極め方
  5. ケアマネの在宅勤務についてのよくある質問
  6. ケアマネの在宅勤務についてのまとめ

ケアマネの在宅勤務は国の通知で認められている

ケアマネの在宅勤務は「グレーな働き方」ではありません。厚生労働省の通知で、どの業務なら在宅で行ってよいかの考え方が示されています。まずは、その通知の位置づけと基本的な考え方を確認しましょう。

2024年3月の通知で職種ごとの考え方が示された

厚生労働省は2024年3月29日、「介護サービス事業所・施設等における情報通信機器を活用した業務の実施に関する留意事項について」を発出しました。それまで管理者以外の職種については介護報酬上のテレワークの取扱いが示されていませんでしたが、この通知で介護支援専門員を含む職種ごとの考え方が整理されました。 (出典:厚生労働省「介護保険最新情報Vol.1237」https://www.mhlw.go.jp/content/001238515.pdf )

居宅ケアマネが在宅でできるとされる業務

通知では、居宅介護支援・介護予防支援の介護支援専門員について、書類作成などの事務作業はテレワークで行っても利用者の処遇に支障がないと考えられる、とされています。一方で、ケアプランの作成をテレワークで行う場合には、適切なアセスメントやモニタリングが行われていることが前提とされています。

つまり「在宅でケアプランを書くこと」自体は認められていますが、その根拠となる情報収集を省略してよいわけではありません。

在宅勤務の日数・時間は事業所ごとに判断される

テレワークを行える日数や時間数は、国が一律に決めているわけではなく、サービスの種類や事業所の実態に応じて各事業者が個別に判断するとされています。終日事業所を不在にする場合は、利用者の処遇に支障が出ないか特に慎重に判断することも求められています。在宅勤務ができるかどうかは、最終的には勤務先の方針と体制次第です。

在宅勤務・モバイル勤務・直行直帰の違い

テレワークには、自宅で働く「在宅勤務」のほか、移動中や外出先でノートパソコンやタブレットを使って働く「モバイル勤務」、自宅近くの小規模なオフィスで働く「サテライトオフィス勤務」があります。居宅ケアマネの場合、訪問の合間に外出先で記録を入力するモバイル勤務や、自宅から利用者宅へ直接向かう直行直帰と組み合わせることで、事業所へ戻る移動そのものを減らせます。「在宅勤務ができるか」だけでなく、「どの形を組み合わせられるか」という視点で考えると、選択肢が広がります。

管理者のケアマネも在宅勤務はできる

居宅介護支援事業所の管理者を兼ねているケアマネも、管理上支障が生じない範囲であればテレワークを行えるとされています。ただし、事故や利用者の急変、災害などの緊急時の対応の流れをあらかじめ定め、必要に応じて速やかに出勤できるようにしておくことが求められています。


オンラインでできること・訪問が必要なこと

ケアマネの仕事は「全部在宅」か「全部訪問」かの二択ではありません。業務ごとにオンラインで行える条件が異なります。ここでは、代表的な業務について国が示している条件を整理します。

書類作成や関係機関との連絡調整

ケアプランの清書、支援経過の記録、給付管理、サービス事業所や医療機関との連絡などは、在宅勤務と相性のよい業務です。通知でも、事務作業や事業所外の専門職との連絡は、あらかじめテレワークを行う日時を決めておけば支障がないと考えられるとされています。

モニタリングのオンライン化には条件がある

2024年度の介護報酬改定により、居宅介護支援のモニタリングは一定の要件のもとでテレビ電話装置等を活用して行えるようになりました。利用者の文書による同意を得ること、利用者の心身の状況が安定していることをサービス担当者会議等で確認することなどが必要で、居宅への訪問は2月に1回行うことが前提です。認知機能の低下などで同意を得ることが難しい利用者は、対象として想定されていません。 (出典:前橋市「令和6年度介護報酬改定 居宅介護支援に関する資料」https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/40/R6_kyotakukaigosien.pdf )

サービス担当者会議のオンライン開催

サービス担当者会議をオンラインで行う場合は、家族を含む関係者間で利用者の現状を共有できるようにし、利用者や家族との意思疎通が十分にとれるよう留意することが求められています。参加者全員の通信環境をそろえられるかどうかが、実施の判断材料になります。

電話対応は転送と役割分担で乗り切る

ケアマネの業務では、利用者や家族、サービス事業所からの電話が日常的にかかってきます。在宅勤務の日は、事業所の代表電話を担当者のスマートフォンに転送する、事業所に出勤している職員が一次対応して折り返しを依頼するなど、電話の受け方を事前に決めておきましょう。職員同士の連絡は、緊急性の高いものは電話、それ以外はチャットと使い分けると、情報共有の記録も残せます。

利用者との面談やアセスメントは原則として対面を基本に

面談やアセスメントのための観察は、相手の表情や反応を直接確認する必要があり、機器の操作や音声の聞き取りにくさなどの制約もあります。そのため、オンラインで行うのは意思疎通が十分に図れる利用者に限り、本人と家族の理解を得て行うなど、慎重な対応が求められています。


在宅勤務で気をつけるべき個人情報と働き方のルール

在宅勤務では、事業所にいるとき以上に情報管理と自己管理が問われます。国の通知で示されている個人情報の注意点と、在宅勤務ならではの働き方の課題を確認しておきましょう。

画面の覗き見や会話の聞き取りを防ぐ

通知では、第三者が画面を覗き込んだり、利用者や職員との会話を聞き取ったりすることで情報が漏れないような環境で行うよう求めています。家族と共有しているリビングで電話対応をする、カフェなど人の多い場所で記録を開くといった状況は避けましょう。

紙の書類を持ち帰るときの扱い

利用者や家族の情報が書かれた書面を自宅に持ち帰って作業する場合も、取扱いに注意が必要です。紙の持ち出しは紛失のリスクが高いため、クラウド型の介護ソフトやデータでのやり取りを中心にし、紙を持ち出さずに済む仕組みを整えておくことが理想です。

通信環境と端末のセキュリティ

外出先で記録を入力する場合、誰でも接続できる公衆無線LANは通信内容を盗み見られるリスクがあるため避けましょう。事業所から支給されたモバイル回線やスマートフォンのテザリングを使うのが安全です。端末には画面ロックを設定し、ソフトへのログインには二段階認証を使うなど、端末を紛失した場合でも情報が漏れにくい状態にしておくことが大切です。通知でも、個人情報の外部への漏えい防止や不正アクセスの防止のための措置を講じることが求められています。

労働時間の管理と連絡体制

在宅勤務では、仕事とプライベートの境目があいまいになり、休日や夜間の対応が増えやすくなります。国は、テレワーク実施者の労働時間を適切に管理することや、事業所に出勤している職員と連絡がとれる体制を確保することを求めています。始業・終業の報告方法や、緊急時に誰が訪問するかを事前に決めておきましょう。


在宅勤務を実現するための準備と職場の見極め方

在宅勤務は、制度として認められていても、事業所の環境が整っていなければ実現しません。今の職場で在宅勤務を始める場合と、在宅勤務ができる職場を探す場合の両方について、準備のポイントを紹介します。

今の職場で始めるなら事務作業の日から

いきなり週の大半を在宅にするのではなく、「毎週水曜の午後は記録と給付管理を在宅で行う」など、事務作業に限った日時をあらかじめ決めて始めると、管理者も判断しやすくなります。通知の内容を資料として示しながら相談すると、話が進みやすくなるでしょう。

在宅勤務に必要な環境

在宅勤務を安定して続けるには、外出先や自宅から利用できるクラウド型の介護ソフト、事業所の電話を転送できる仕組みやスマートフォン、チャットやビデオ会議のツールなどが必要です。紙とFAXが中心の事業所では、まずこれらのデジタル化から取り組むことになります。

在宅勤務ができる職場か確かめるポイント

在宅勤務の可否を確かめる際は、「在宅勤務の実績があるか」「どの業務を在宅で行っているか」「記録ソフトは事業所外から使えるか」「社用のパソコンやスマートフォンは支給されるか」を具体的に確認しましょう。制度があっても実際には使われていないケースもあるため、利用している職員の有無まで聞いておくと安心です。

在宅勤務のデメリットとも向き合う

在宅勤務では、困ったときにすぐ相談できる相手がいない、運動量が減るといった課題もあります。事業所内での定期的なオンライン面談や事例共有の場を設けるなど、ひとりで抱え込まない仕組みがあるかどうかも、長く続けるうえで大切な視点です。

在宅勤務で得られるメリット

在宅勤務や直行直帰を取り入れると、事業所との往復にかかっていた移動時間を記録や休息に充てられるようになります。子どもの送り迎えや家族の介護と仕事の時間を調整しやすくなるほか、感染症の流行や災害で事業所に出勤できない場合にも業務を続けやすくなります。訪問の多い居宅ケアマネにとって、移動と記録の負担を減らせることは、長く働き続けるための大きな支えになります。


ケアマネの在宅勤務についてのよくある質問

Q. ケアマネが完全在宅で働くことはできますか?

居宅介護支援のケアマネは、利用者宅への訪問や対面での面談が必要な業務があるため、訪問を一切しない完全在宅は現実的ではありません。事務作業を在宅で行い、訪問は自宅から直行直帰するといった組み合わせが一般的な形です。

Q. モニタリングは毎月オンラインで行ってもよいですか?

毎月オンラインだけで行うことはできません。テレビ電話装置等を活用する場合でも、利用者の同意や心身の状態が安定していることの確認などの要件を満たしたうえで、居宅への訪問は2月に1回行う必要があります。

Q. 在宅勤務をしたいと職場に相談しても大丈夫でしょうか?

在宅勤務は厚生労働省の通知で考え方が示されている働き方なので、相談すること自体に問題はありません。事務作業に限った日時を提案するなど、利用者対応に支障が出ない形を具体的に示すと検討してもらいやすくなります。

Q. 在宅勤務で使う記録ソフトは何でもよいですか?

利用者の個人情報を扱うため、事業所が認めたソフトや端末を使うことが前提です。個人のスマートフォンやパソコンに利用者情報を保存するのは避け、事業所のルールに従いましょう。

Q. 施設のケアマネも在宅勤務できますか?

施設のケアマネも書類作成などの事務作業は在宅で行えるとされています。ただし、施設サービス計画の作成には利用者の直接の観察や他職種からの聞き取りが十分に行われていることが前提となります。


ケアマネの在宅勤務についてのまとめ

ケアマネの在宅勤務は、2024年3月の厚生労働省の通知で考え方が示され、書類作成などの事務作業は在宅で行えることが明確になりました。モニタリングのオンライン化には利用者の同意や2月に1回の訪問などの条件があり、面談やアセスメントは対面が基本です。個人情報の管理と連絡体制を整え、事務作業の日から段階的に始めることが、在宅勤務を実現する近道です。逆算が欠かせません。


執筆者
ケアマネクスト編集部
ケアマネクスト編集部
ケアマネとして働く方のキャリアの「次」と、事業所のこれからの「次」。
その両方の後押しになるよう、試験や制度、働き方、事業承継の情報をお届けしています。
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