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ケアマネ試験の勉強時間は何時間必要か。目安の数字より確実な逆算の考え方

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監修者

名前 / Name  
大石 智之

実績 / Achievements
介護・福祉業界に入り、現場のホームヘルパーとして介護の実務経験を積む。

その後、デイサービスの立ち上げおよび責任者、訪問介護事業所の立ち上げおよび責任者、福祉用具貸与事業所の責任者を歴任。

さらに、居宅介護支援・訪問介護・福祉用具・デイサービスの各事業を統括する責任者として、介護事業の運営・マネジメントに携わる。

約7年間の勤務を経て独立し、居宅介護支援事業と福祉用具事業を柱として株式会社ログを設立。

設立後は地域に根ざした介護・福祉サービスの展開を進め、現在は居宅介護支援事業所10事業所を中心に、複数の介護・福祉事業の経営・運営を行っている。

現場の介護職から事業所の立ち上げ、管理・統括、そして経営まで、介護・福祉事業に幅広く携わっている。

「ケアマネ試験の勉強時間は◯◯時間」という数字をよく見かけます。しかし国や試験実施機関が必要な勉強時間を示している事実はありません。もともと受験者は実務経験5年以上の現役職種で、前提知識が人によって大きく異なるためです。この記事では、時間ではなく到達すべき水準から逆算する方法を、公的資料をもとに整理します。


「必要な勉強時間」に共通の正解がない理由

まず前提を確認します。時間の数字を探しても納得感が得られないのには、はっきりした理由があります。

受験者は全員が現役の有資格者

ケアマネ試験は誰でも受けられる試験ではありません。介護保険法施行規則第113条の2に定める法定資格に基づく業務、または指定された相談援助業務に、通算5年以上かつ900日以上従事していることが必要です。

つまり受験者は全員、現場で5年以上のキャリアを積んだ実務者です。介護福祉士として現場一筋で働いてきた人と、看護師として医療に携わってきた人とでは、出題分野ごとの前提知識がまったく異なります。同じ「勉強時間」で括ることに無理があります。

出典:厚生労働省「社会保障審議会 介護保険部会(第127回)資料2 地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001586130.pdf

職種によって有利な分野が違う

第28回の職種別合格者を見ると、介護福祉士が8,310人で64.1%、看護師・准看護師が2,094人で16.2%、社会福祉士が857人で6.6%、理学療法士が618人で4.8%を占めています。

保健医療福祉サービス分野には医療系の設問が含まれるため、看護師や理学療法士は一定の下地があります。一方で介護福祉士は福祉サービスの設問に馴染みがあります。どちらの職種にも手薄な領域が必ずあり、必要な学習量はその人の出発点で決まります。

出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html

合格基準も毎年動く

もう一つの理由が、目標そのものが固定されていないことです。合格基準は、介護支援分野、保健医療福祉サービス分野ごとに正答率70%を基準とし、問題の難易度で補正して設定されます。

到達点が動く以上、「◯◯時間やれば届く」という設計は成り立ちません。時間で管理するのではなく、到達水準で管理する必要があります。

出典:東京都福祉局「令和7年度(第28回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験に係る正答番号及び合格基準の公表について」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shikaku/r7_seitoukijyun


時間ではなく「到達水準」で管理する

では何を基準に学習量を決めればよいのか。判定の仕組みから、目標を具体化します。

目標は「両分野とも安定して7割超」

合格基準は分野ごとに設定され、介護支援分野および保健医療福祉サービス分野のそれぞれの得点が基準に達している者を合格とすると定められています。総合点では判定されません。

したがって目標は、過去問演習で両分野とも安定して7割以上を確保できる状態です。片方だけ8割でも、もう片方が6割なら不合格です。この水準に達するまでに必要な時間が、その人にとっての勉強時間になります。

出典:東京都福祉局「令和7年度(第28回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験に係る正答番号及び合格基準の公表について」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shikaku/r7_seitoukijyun

介護支援分野に時間を厚く配分する

配分の考え方も判定の仕組みから決まります。出題数は60問で、内訳は介護支援分野が25問、保健医療福祉サービス分野が35問です。配点は1問1点です。

介護支援分野は問題数が少ない分、1問の重みが大きくなります。しかも介護保険制度の仕組みそのものが問われるため、実務で日常的に扱っていない条文や手続きが出題されます。現場経験だけでは埋まらない領域であり、学習時間を最も要する部分です。

出典:公益財団法人東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」https://www.keamane.tokyo.jp/shiken/

五肢複択という形式を見込んでおく

必要な学習量を見誤る原因が出題形式です。出題は五肢複択方式で、解答はマークシート方式です。正しい選択肢をすべて選ぶ必要があり、一つでも取りこぼしや誤りがあれば得点になりません。

「なんとなく分かる」レベルでは得点にならないため、五肢択一の試験と同じ感覚で学習量を見積もると足りなくなります。同じ範囲でも、理解を確実にするために必要な反復回数が増えると考えてください。

出典:公益財団法人東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」https://www.keamane.tokyo.jp/shiken/


試験日から逆算してスケジュールを組む

到達水準が決まったら、次は時間軸です。年1回という制約が計画のすべてを規定します。

試験は10月、申込は6月

第29回試験は2026年10月11日(日)午前10時開始で、受験申込の受付は令和8年6月1日から6月30日まででした。すでに終了しており、次に目指すのは2027年の第30回です。

例年どおりであれば、申込は6月、試験は10月です。逆算すると学習期間として使えるのは1年ありますが、6月には実務経験証明書などの書類準備が重なります。学習だけに集中できる期間はそれより短いと見込んでおくべきです。

出典:公益財団法人東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」https://www.keamane.tokyo.jp/shiken/

本番は120分で60問

学習の後半で必要になるのが時間感覚です。試験時間は120分で、出題数は60問です。単純計算では1問あたり2分ですが、事例問題は読解に時間がかかります。

過去問演習を「解けるかどうか」だけで進めていると、本番で時間が足りなくなります。中盤以降は必ず時間を計り、120分で60問を解き切る配分を身につけてください。この練習に充てる時間も、勉強時間の一部として計画に入れる必要があります。

出典:公益財団法人東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」https://www.keamane.tokyo.jp/shiken/

公式の過去問を使う

学習効率を左右するのが教材です。試験問題や正答番号、合格基準は都道府県が公表しています。たとえば東京都は、正答番号および合格基準とあわせて試験問題そのものをPDFで公開しています。

市販の問題集は解説が充実している一方、掲載順や表記が編集されています。本番と同じ形式の問題を時間を測って解く練習は、公表されている試験問題で行うのが確実です。解説が必要な段階では市販教材、仕上げでは公式の問題、という使い分けが効率的です。

出典:東京都福祉局「令和7年度(第28回)東京都介護支援専門員実務研修受講試験に係る正答番号及び合格基準の公表について」https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/shikaku/r7_seitoukijyun


働きながらの学習をどう成立させるか

受験者の大半は現役で働いています。時間を捻出する現実的な方法を整理します。

まとまった時間より積み上げが有効

第28回の合格者は介護福祉士が64.1%、看護師・准看護師が16.2%を占めており、シフト勤務や夜勤を抱えた層が中心です。休日にまとめて詰め込む方法は、体調面でも定着面でも効率が良くありません。

平日は問題演習、休日は苦手分野の集中学習というように役割を分けると継続しやすくなります。重要なのは総時間ではなく、両分野とも7割を安定して超える状態に到達することです。

出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html

年1回という制約を計画に織り込む

試験は年に1回しか実施されません。不合格の場合、次の機会は1年後です。受験手数料も都道府県ごとに必要で、東京都は12,400円(別途コンビニ振込手数料148円)、大阪府は13,400円(別途払込手数料)です。

「今年は様子見」という受け方は、時間とコストの両面で割に合いません。受験を決めたなら、一度で決める前提で学習量を設計してください。

出典:公益財団法人東京都福祉保健財団「令和8年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」https://www.keamane.tokyo.jp/shiken/ / 大阪府「第29回大阪府介護支援専門員実務研修受講試験のお知らせ」https://www.pref.osaka.lg.jp/o090100/kaigoshien/care/shiken03.html

合格後の87時間も見込んでおく

見落とされがちなのが合格後です。合格しただけでは働けず、都道府県が実施する介護支援専門員実務研修(87時間以上)を修了し、資格登録を経て介護支援専門員証の交付を受ける必要があります。

厚生労働省のガイドラインでは、研修は前期と後期に分かれ、前期は16科目、後期は12科目で構成され、ガイドラインの科目別時間数を合計すると前期47時間・後期40時間という構成です。合格発表は11月下旬で、そこから研修が始まります。学習時間の計画は、試験当日ではなく研修修了までを射程に入れて立てておくと、その後の動きがスムーズです。

出典:厚生労働省「別冊1 介護支援専門員実務研修 各科目のガイドライン」https://www.mhlw.go.jp/content/001089251.pdf


ケアマネ試験の勉強時間についてよくある質問

学習量の見積もりで迷いやすい点をまとめました。

ケアマネ試験の勉強時間は何時間必要ですか?

国や試験実施機関が必要な勉強時間を示している事実はありません。受験者は全員が実務経験5年以上の有資格者で、職種によって前提知識が大きく異なるためです。時間ではなく到達水準で判断してください。

では何を目標にすればよいですか?

過去問演習で、介護支援分野と保健医療福祉サービス分野の両方で安定して7割以上を取れる状態です。合格基準は分野ごとに設定され、片方が届かなければ不合格になります。

どの分野から始めるべきですか?

介護支援分野です。25問と問題数が少なく1問の重みが大きいうえ、制度の仕組みが問われるため現場経験だけでは埋まりません。

独学でどのくらいの期間が必要ですか?

期間は出発点によって異なります。ただし試験は年1回で、申込が6月、試験が10月という日程です。書類準備の時期も重なるため、学習に集中できる期間は想定より短くなります。

過去問はどこで手に入りますか?

試験問題や正答番号、合格基準は都道府県が公表しています。東京都は試験問題をPDFで公開しており、本番と同じ形式で時間を測る練習に使えます。

合格後にも学習は必要ですか?

必要です。合格後は介護支援専門員実務研修(87時間以上)を修了する必要があります。前期47時間、後期40時間という構成で、平日日中の日程が多いため勤務先との調整も要ります。


ケアマネ試験の勉強時間についてのまとめ

ケアマネ試験に「必要な勉強時間」の公式な目安はありません。受験者は全員が実務経験5年以上の有資格者で、職種によって前提知識が異なるためです。管理すべきは時間ではなく到達水準で、目標は両分野とも安定して7割超です。特に介護支援分野は問題数が少なく1問の重みが大きいため、優先して時間を配分してください。試験は年1回、合格後には87時間の研修も控えています。れるため、目標は「両分野とも安定して7割超」に置くのが現実的です。ころから始めましょう。


執筆者
ケアマネクスト編集部
ケアマネクスト編集部
ケアマネとして働く方のキャリアの「次」と、事業所のこれからの「次」。
その両方の後押しになるよう、試験や制度、働き方、事業承継の情報をお届けしています。
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