実務研修

ケアマネ試験に落ちたらどうする?不合格の原因の見つけ方と、次の試験までにやること

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監修者

名前 / Name  
大石 智之

実績 / Achievements
介護・福祉業界に入り、現場のホームヘルパーとして介護の実務経験を積む。

その後、デイサービスの立ち上げおよび責任者、訪問介護事業所の立ち上げおよび責任者、福祉用具貸与事業所の責任者を歴任。

さらに、居宅介護支援・訪問介護・福祉用具・デイサービスの各事業を統括する責任者として、介護事業の運営・マネジメントに携わる。

約7年間の勤務を経て独立し、居宅介護支援事業と福祉用具事業を柱として株式会社ログを設立。

設立後は地域に根ざした介護・福祉サービスの展開を進め、現在は居宅介護支援事業所10事業所を中心に、複数の介護・福祉事業の経営・運営を行っている。

現場の介護職から事業所の立ち上げ、管理・統括、そして経営まで、介護・福祉事業に幅広く携わっている。

仕事と家庭の合間を縫って勉強してきたのに、ケアマネの試験(介護支援専門員実務研修受講試験)に落ちてしまった。その悔しさや落ち込みは、真剣に取り組んだ人ほど大きいものです。ただ、ケアマネ試験は受験者の多くが不合格になる試験で、何度目かの挑戦で合格する人も珍しくありません。本記事では、不合格の原因の見つけ方、次の試験までの1年の使い方、合格後の実務研修で気をつけたいことまで、再挑戦に向けて知っておきたいことを整理します。


目次
  1. まず知っておきたい「落ちた」後の事実
  2. 不合格の原因を分析する
  3. 次の試験までの1年の使い方
  4. 合格した後の「実務研修」でつまずかないために
  5. ケアマネ試験に落ちたときのよくある質問
  6. ケアマネ試験に落ちたときのまとめ

まず知っておきたい「落ちた」後の事実

不合格の通知を受け取った直後は、何から考えればいいのかわからなくなりがちです。まずは、再挑戦の前提となる事実を確認しておきましょう。

受験者の4人に3人は不合格になる試験

2025年度の第28回試験は、受験者5万601人のうち合格者が1万2,961人で、合格率は25.6%でした。言い換えると、受験した人のおよそ4人に3人は不合格になっています。実務経験を積んだ専門職が受けても、多くの人が一度では合格できない試験です。

出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html

合格率の推移や職種別の合格者の内訳は、別の記事で詳しく解説しています。

▶ あわせて読みたい:ケアマネ試験の合格率25.6%は高い?低い?28回分の推移でわかる本当の難しさ https://caremane-next.com/exameligibility/pass-rate/

受験資格は失われず、翌年以降も受験できる

試験に落ちても、受験資格である実務経験がなくなるわけではありません。受験資格を満たしていれば、翌年以降も受験できます。受験回数に上限もありません。

ただし、国の審議会では受験資格の見直しが議論されています。申込みの際は、その年の受験の手引きで最新の要件を必ず確認してください。

申込みの書類は改めて確認する

再受験の申込みでは、前回提出した実務経験の証明書をそのまま使えるのか、改めて提出が必要なのかは、都道府県によって扱いが異なる場合があります。前回の受験後に転職した人は、新しい職場での経験も加えて期間を確認し直しましょう。必要な書類を早めに確かめておけば、申込期間に慌てずに済みます。

試験は年1回。次のチャンスは約1年後

ケアマネ試験は年1回、例年10月に全国一斉に行われます。たとえば兵庫県の2026年度試験は、受付期間が5月25日から6月26日まで、試験日は10月11日でした。不合格がわかった時点から次の試験まではおよそ10か月あり、申込みまでは半年ほどです。

出典:兵庫県「介護支援専門員実務研修受講試験」 https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf05/keamanesiken.html

この期間を「待つ時間」にするか「準備の時間」にするかで、次の結果は大きく変わります。

落ち込むのは当然。まずは気持ちを整える

真剣に取り組んだ試験に落ちたのですから、落ち込むのは当然のことです。すぐに次の勉強を始めなければと自分を追い込む必要はありません。数日から数週間は、試験勉強のために後回しにしていた家族との時間や休息を優先しても構いません。

気持ちが落ち着いたら、「来年もう一度受けるか」を自分で決めましょう。再挑戦すると決めた時点から、次の1年の準備が始まります。


不合格の原因を分析する

再挑戦で最初にやるべきことは、なぜ落ちたのかを数字で把握することです。漠然と「勉強が足りなかった」と考えるだけでは、同じ勉強法を繰り返してしまいます。

分野ごとの点数を合格点と比べる

ケアマネ試験は、「介護支援分野」25問と「保健医療福祉サービス分野」35問の分野ごとに合格点が設定されています。第28回の合格点は、介護支援分野が18点、保健医療福祉サービス分野が25点でした。どちらか一方でも合格点に届かなければ不合格になります。

出典:長崎県「第28回介護支援専門員実務研修受講試験 合格基準」 https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2025/11/1763606165.pdf

都道府県が公表している正答番号で自己採点し、分野ごとに「あと何点足りなかったのか」を確認しましょう。両分野とも少しずつ足りなかったのか、片方の分野だけが大きく足りなかったのかで、次の1年の勉強の配分が変わります。

「知らなかった問題」と「迷って間違えた問題」を分ける

間違えた問題を、「そもそも知らなかった問題」と「知っていたのに迷って間違えた問題」に分けてみましょう。ケアマネ試験は5つの選択肢から正しいものを複数選ぶ形式の問題が多く、1つでも選び間違えると得点になりません。

知らなかった問題が多い場合は、知識の範囲そのものを広げる必要があります。迷って間違えた問題が多い場合は、知識があいまいなまま覚えている可能性が高いため、似た制度や数字を比べて整理する勉強が効果的です。

自分の基礎資格から見た弱点を確認する

基礎資格によって、つまずきやすい分野には傾向があります。介護福祉士の人は医療に関する問題、看護職の人は介護保険制度や福祉サービスの細かな知識、リハビリ職や相談職の人は自分の専門以外の分野で点を落としやすい傾向があります。自己採点の結果と照らし合わせて、自分の弱点がどこにあるのかを確かめましょう。


次の試験までの1年の使い方

原因がわかったら、次の試験までの計画を立てます。時期ごとにやることを決めておくと、仕事が忙しい時期があっても勉強を続けやすくなります。

結果がわかってから年末まで:記憶が新しいうちに振り返る

不合格がわかった直後は、気持ちの整理に時間が必要かもしれません。ただ、試験の記憶が残っているうちに、自己採点の結果と間違えた問題を書き出しておくと、次の1年の勉強の出発点になります。この時期は無理に長時間勉強せず、振り返りだけを済ませておくのでも十分です。

年明けから春:苦手分野の基礎を固め直す

年が明けたら、分析で見えた苦手分野を中心に基礎を固め直します。特に介護支援分野は、介護保険制度の仕組みやケアマネジメントのプロセスなど、毎年必ず出題される内容が中心です。テキストを最初から読み直すよりも、間違えた問題に関係する単元から優先して取り組むと効率的です。

勉強時間は「まとめて」より「毎日少しずつ」

働きながら受験する人にとって、まとまった勉強時間を確保するのは簡単ではありません。休日に長時間勉強するより、通勤時間や休憩時間、寝る前の15分など、毎日少しずつ問題に触れるほうが知識は定着しやすくなります。前回の試験で勉強が続かなかった人は、1日に解く問題数を少なめに決めて、まずは「毎日続ける」ことを優先しましょう。

独学で伸び悩んだ場合は、通信講座や模擬試験、職場の先輩ケアマネとの勉強会など、外の力を借りるのも一つの方法です。自分の解き方の癖を第三者に指摘してもらうと、迷って間違える問題を減らすきっかけになります。

申込み後から試験まで:過去問で得点を安定させる

申込みを済ませたら、過去問や模擬試験で両分野の得点を安定させる時期に入ります。1回でも7割を超えたら安心するのではなく、何度解いても7割を下回らない状態を目指しましょう。また、その年に施行された制度改正は出題されやすいため、介護保険の最新の動きにも目を通しておくと安心です。


合格した後の「実務研修」でつまずかないために

検索で「実務研修 落ちた」と調べる人の中には、試験ではなく、合格後に受ける実務研修について不安を抱えている人もいます。最後に、実務研修について知っておきたいことを紹介します。

実務研修は87時間。講義・演習・実習で構成される

試験に合格すると、都道府県が実施する介護支援専門員実務研修を受講します。研修時間は87時間で、講義や演習に加え、居宅介護支援事業所などでの実習も行われます。

出典:島根県「介護支援専門員研修の概要」 https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/fukushi/kourei/kaigozinnzaikakuho/caremana/index.data/01gaiyou.pdf

修了の条件や、欠席した場合の扱いは都道府県によって異なるため、受講が決まったら要項を必ず確認しましょう。仕事を続けながら受講する人がほとんどのため、研修日程が出たらすぐに勤務先と休みの調整をしておくことが大切です。

その年に受講できなくても、合格は無駄にならない

病気や家庭の事情などで、合格した年度に実務研修を受けられない場合もあります。山口県の2023年度の実務研修では、その年度の試験合格者に加え、前年度以前に合格し受講が認められた人や、他の都道府県の試験に合格し受講が認められた人も対象とされていました。

出典:山口県「介護支援専門員実務研修 実施要項」 https://www.kaigo.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/file/2312/003124_f1.pdf

合格した年度に受講できない事情がある場合は、早めに都道府県や研修実施機関に相談しましょう。

研修を終えたら登録の期限に注意する

実務研修を修了したら、都道府県に介護支援専門員の登録を申請します。島根県の研修体系図では、登録申請は研修修了後3か月以内とされています。せっかく研修を終えても、手続きを忘れると業務に就くまでに時間がかかってしまいます。

出典:島根県「介護支援専門員研修体系」 https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/fukushi/kourei/kaigozinnzaikakuho/caremana/index.data/03taikeizu1.pdf


ケアマネ試験に落ちたときのよくある質問

Q. ケアマネ試験は何回まで受けられますか?

A. 受験回数に上限はありません。受験資格を満たしていれば、何度でも受験できます。

Q. 落ちた年の点数は、次の試験に持ち越せますか?

A. 持ち越せません。合格した分野があっても、次の試験では両方の分野を受け直し、それぞれ合格点に達する必要があります。

Q. 自己採点で合格点ぎりぎりでした。結果はどうなりますか?

A. 合格点は問題の難易度によって補正されるため、自己採点の時点では確定しません。都道府県が公表する正答番号と合格基準で最終的な結果が決まるため、合格発表を待ちましょう。

Q. 何年も落ち続けています。勉強法を変えるべきですか?

A. 同じ分野で毎回点数が足りない場合は、勉強の量よりも方法に課題がある可能性があります。間違えた問題を「知らなかった」と「迷った」に分けて分析し、弱点に合わせて勉強法を見直しましょう。

Q. 落ちたことを職場に知られたくありません。

A. 結果をどこまで伝えるかは本人の判断です。ただし、実務経験の証明書は勤務先に発行してもらう必要があり、合格後の実務研修では休みの調整も必要になります。信頼できる上司にだけ再挑戦の意思を伝えておくと、翌年の手続きがスムーズです。


ケアマネ試験に落ちたときのまとめ

ケアマネ試験は受験者の約4人に3人が不合格になる試験で、受験資格を満たしていれば翌年以降も何度でも受験できます。不合格だったら、まず分野ごとの点数を合格点と比べ、間違えた問題を「知らなかった」と「迷った」に分けて原因を分析しましょう。次の試験までの約1年を時期ごとに区切って準備を進めれば、再挑戦での合格は十分に狙えます。


執筆者
ケアマネクスト編集部
ケアマネクスト編集部
ケアマネとして働く方のキャリアの「次」と、事業所のこれからの「次」。
その両方の後押しになるよう、試験や制度、働き方、事業承継の情報をお届けしています。
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