ケアマネ試験の合格率25.6%は高い?低い?28回分の推移でわかる本当の難しさ
監修者

名前 / Name
大石 智之
実績 / Achievements
介護・福祉業界に入り、現場のホームヘルパーとして介護の実務経験を積む。
その後、デイサービスの立ち上げおよび責任者、訪問介護事業所の立ち上げおよび責任者、福祉用具貸与事業所の責任者を歴任。
さらに、居宅介護支援・訪問介護・福祉用具・デイサービスの各事業を統括する責任者として、介護事業の運営・マネジメントに携わる。
約7年間の勤務を経て独立し、居宅介護支援事業と福祉用具事業を柱として株式会社ログを設立。
設立後は地域に根ざした介護・福祉サービスの展開を進め、現在は居宅介護支援事業所10事業所を中心に、複数の介護・福祉事業の経営・運営を行っている。
現場の介護職から事業所の立ち上げ、管理・統括、そして経営まで、介護・福祉事業に幅広く携わっている。
ケアマネ試験の合格率は年度によって10%台から40%台まで大きく振れており、「平均○%」という数字だけでは実態がつかめません。直近の第28回は25.6%で、前年から6.5ポイント下がりました。この記事では厚生労働省が公表している第1回から第28回までの実績と職種別データをもとに、合格率が動く理由と、自分の合格可能性をどう見積もればよいかを整理します。
最新のケアマネ試験(第28回)の合格率は25.6%
まず直近の実績を押さえます。受験者数・合格者数・前年との比較を確認したうえで、この数字が試験全体の中でどのくらいの位置にあるのかを見ていきます。
受験者50,601人に対し合格者12,961人
第28回介護支援専門員実務研修受講試験は令和7年10月12日に実施され、受験者数50,601人に対し合格者数は12,961人、合格率は25.6%でした。おおむね4人に1人が合格した計算になります。
介護福祉士試験のように7割以上が合格する試験と比べると、明らかに難易度の高い部類に入ります。一方で、司法試験のように数%という水準でもありません。「しっかり準備すれば十分に届くが、片手間では落ちる」というのが数字から読み取れる実像です。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
前年の32.1%から6.5ポイント下落
注目すべきは前年との落差です。第27回(令和6年度)は受験者53,699人に対し合格者17,228人で合格率32.1%でしたが、第28回は25.6%まで下がりました。1年で6.5ポイントの下落です。
受験者数はおよそ3,000人減った程度なのに対し、合格者数は17,228人から12,961人へと4,000人以上減っています。受験者層が大きく変わったというより、その年の出題との相性で数字が動いていることがうかがえます。「去年は3割超えだったから今年も」という前提で計画を立てるのは危険です。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
28回の累計では合格者78万人超
第1回から第28回までの累計では、受験者3,162,106人に対し合格者781,248人が誕生しています。単純平均すればおよそ4人に1人ですが、回ごとの振れ幅が非常に大きいため、この平均値を自分の合格可能性の目安にするのは適切ではありません。実際の推移は次のとおりです。
| 回(年度) | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 第1回(平成10年度) | 207,080人 | 91,269人 | 44.1% |
| 第2回(平成11年度) | 165,117人 | 68,090人 | 41.2% |
| 第3回(平成12年度) | 128,153人 | 43,854人 | 34.2% |
| 第4回(平成13年度) | 92,735人 | 32,560人 | 35.1% |
| 第5回(平成14年度) | 96,207人 | 29,508人 | 30.7% |
| 第6回(平成15年度) | 112,961人 | 34,634人 | 30.7% |
| 第7回(平成16年度) | 124,791人 | 37,781人 | 30.3% |
| 第8回(平成17年度) | 136,030人 | 34,813人 | 25.6% |
| 第9回(平成18年度) | 138,262人 | 28,391人 | 20.5% |
| 第10回(平成19年度) | 139,006人 | 31,758人 | 22.8% |
| 第11回(平成20年度) | 133,072人 | 28,992人 | 21.8% |
| 第12回(平成21年度) | 140,277人 | 33,119人 | 23.6% |
| 第13回(平成22年度) | 139,959人 | 28,703人 | 20.5% |
| 第14回(平成23年度) | 145,529人 | 22,332人 | 15.3% |
| 第15回(平成24年度) | 146,586人 | 27,905人 | 19.0% |
| 第16回(平成25年度) | 144,397人 | 22,331人 | 15.5% |
| 第17回(平成26年度) | 174,974人 | 33,539人 | 19.2% |
| 第18回(平成27年度) | 134,539人 | 20,924人 | 15.6% |
| 第19回(平成28年度) | 124,585人 | 16,281人 | 13.1% |
| 第20回(平成29年度) | 131,560人 | 28,233人 | 21.5% |
| 第21回(平成30年度) | 49,332人 | 4,990人 | 10.1% |
| 第22回(令和元年度) | 41,049人 | 8,018人 | 19.5% |
| 第23回(令和2年度) | 46,415人 | 8,200人 | 17.7% |
| 第24回(令和3年度) | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
| 第25回(令和4年度) | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
| 第26回(令和5年度) | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
| 第27回(令和6年度) | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% |
| 第28回(令和7年度) | 50,601人 | 12,961人 | 25.6% |
※第22回は10月13日開催分と3月8日開催分を合算した数値です。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
合格率の推移が示す3つの転換点
28回分の推移を並べると、合格率は一定の方向に動いてきたわけではないことが分かります。数字が大きく動いた3つの局面を押さえると、直近の数字をどう解釈すべきかが見えてきます。
第1回の44.1%から20%前後へ
第1回(平成10年度)は受験者207,080人に対し合格者91,269人、合格率44.1%でした。第2回も41.2%と高い水準です。制度の立ち上げ期に多くのケアマネジャーを確保する必要があった時期の数字といえます。
その後は段階的に下がり、第9回(平成18年度)で20.5%、第14回(平成23年度)では15.3%まで低下しました。第19回(平成28年度)の13.1%は、受験資格の見直し前としては最も低い水準です。試験としての選抜性が高まっていった流れが読み取れます。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
過去最低は第21回の10.1%
28回のうち最も低かったのは第21回(平成30年度)の10.1%です。受験者49,332人に対し合格者はわずか4,990人でした。
この回は受験資格が見直され、介護等業務10年のルートが廃止された最初の年です。受験者数も前年の131,560人から49,332人へと激減しています。母集団が大きく入れ替わったにもかかわらず合格率が10%台まで落ちたことは、受験資格が厳しくなったからといって合格しやすくなるわけではない、という事実を示しています。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
直近5年は17%〜32%で推移
受験資格見直し後の状況を見ると、第24回(令和3年度)23.3%、第25回(令和4年度)19.0%、第26回(令和5年度)21.0%、第27回(令和6年度)32.1%、第28回(令和7年度)25.6%と推移しています。第23回(令和2年度)の17.7%を含めても、直近はおおむね17%から32%の幅に収まっています。
ここから導ける実務的な結論は、「合格率20%前後の年に当たっても受かる水準」を目標にすべきだということです。合格率が高めの年に当たれば余裕を持って通過でき、低い年に当たっても勝負ができます。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
職種別データが示す「誰が合格しているか」
合格率という全体の数字だけでなく、どの資格から何人が合格しているかを見ると、自分と近い立場の人がどれだけ通過しているかが分かります。厚生労働省は職種別の合格者数も公表しています。
合格者の64.1%は介護福祉士
第28回の職種別合格者数を見ると、介護福祉士が8,310人で構成比64.1%と、圧倒的多数を占めています。次いで看護師・准看護師が2,094人で16.2%、社会福祉士が857人で6.6%、理学療法士が618人で4.8%と続きます。
| 職種 | 合格者数(第28回) | 構成比 |
| 介護福祉士 | 8,310人 | 64.1% |
| 看護師・准看護師 | 2,094人 | 16.2% |
| 社会福祉士 | 857人 | 6.6% |
| 理学療法士 | 618人 | 4.8% |
| 作業療法士 | 293人 | 2.3% |
| 保健師 | 245人 | 1.9% |
| 相談援助業務等従事者 | 242人 | 1.9% |
| 柔道整復師 | 212人 | 1.6% |
| 栄養士・管理栄養士 | 198人 | 1.5% |
| あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師 | 171人 | 1.3% |
| 歯科衛生士 | 137人 | 1.1% |
| 薬剤師 | 126人 | 1.0% |
| 精神保健福祉士 | 92人 | 0.7% |
| 言語聴覚士 | 67人 | 0.5% |
| 医師 | 30人 | 0.2% |
| 歯科医師 | 30人 | 0.2% |
| 助産師 | 27人 | 0.2% |
| 視能訓練士 | 8人 | 0.1% |
| 義肢装具士 | 6人 | 0.0% |
※複数の法定資格を持つ合格者が含まれるため、合計は合格者数と一致しません。
介護現場から相談援助職へキャリアアップする流れが、この試験の主流であることがはっきり表れています。介護福祉士として現場経験を積んだ人にとっては、決して「別世界の試験」ではないということです。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
医療職・その他の職種からも毎年合格者が出ている
一方で、少数ながら多様な職種からの合格者もいます。第28回では保健師245人、薬剤師126人、歯科衛生士137人、柔道整復師212人、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師が171人、栄養士・管理栄養士198人、精神保健福祉士92人などが合格しています。
「介護職以外は不利なのでは」と考える必要はありません。むしろ医療系の資格を持つ人は保健医療サービス分野で有利に働く場面があり、実務でも医療との連携という強みになります。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
累計で見ると介護福祉士の比率は上昇している
第1回から第28回までの累計では、介護福祉士が357,241人で45.7%、看護師・准看護師が181,620人で23.2%、相談援助業務等従事者が80,098人で10.3%という構成です。
直近の第28回で介護福祉士が64.1%を占めていることを踏まえると、累計45.7%から大きく上昇していることが分かります。受験資格の見直しによって、介護福祉士を経由するルートが標準になったことの表れといえます。これから目指す人にとっては、介護福祉士取得が実質的な前提条件になっているという見方ができます。
出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html
合格率の数字を自分の準備にどう落とし込むか
ここまでの数字を、実際の受験準備に翻訳します。合格率が変動する試験で結果を出すために、押さえておくべき考え方と合格後の流れを確認します。
「その年の合格率」は自分にはコントロールできない
第27回32.1%から第28回25.6%への変動が示すとおり、合格率は自分の努力とは無関係に動きます。だからこそ、合格率の高い年を狙うという発想は成立しません。
代わりに有効なのは、過去問で安定して得点できる状態をつくることです。合格率が10%台まで落ちた年でも数千人から1万人以上が合格しているという事実は、難しい年でも通過できる層が確実に存在することを意味します。目指すべきはその層に入ることであり、平均的な受験者と同じ準備量では届きません。
受験機会は年1回だけという前提で逆算する
ケアマネ試験は毎年10月の日曜日に全国一斉で年1回実施されます。第29回試験は2026年10月11日(日)実施で、申込受付はすでに終了しています。次の機会は2027年(第30回)です。
不合格になれば次のチャンスは1年後になります。受験手数料も都道府県ごとに必要で、たとえば大阪府では13,400円(別途払込手数料)です。年1回という制約を踏まえると、「今年は様子見で」という受け方は時間とコストの両面で割に合いません。
出典:大阪府「第29回大阪府介護支援専門員実務研修受講試験のお知らせ」https://www.pref.osaka.lg.jp/o090100/kaigoshien/care/shiken03.html
合格後は87時間以上の実務研修がある
合格はゴールではありません。合格後は都道府県が実施する介護支援専門員実務研修(87時間以上)を修了し、資格登録を経て介護支援専門員証の交付を受けて、はじめてケアマネとして働けます。
講義と演習で構成され、平日日中の日程が組まれることも多いため、勤務先との調整が必要です。合格発表から研修開始まで時間の余裕は多くありません。受験を決めた段階で、合格後の研修期間をどう確保するかまで想定しておくと、その後の動きがスムーズになります。
出典:厚生労働省「社会保障審議会 介護保険部会(第127回)資料2 地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001586130.pdf
ケアマネ試験の合格率についてよくある質問
合格率の見方について、特に問い合わせが多い点をまとめました。
ケアマネ試験の合格率は何%ですか?
直近の第28回(令和7年度)は25.6%です。受験者50,601人に対し合格者は12,961人でした。前年の第27回は32.1%で、年度によって大きく変動します。
過去でもっとも合格率が低かったのはいつですか?
第21回(平成30年度)の10.1%です。受験資格の見直しが行われた最初の年で、受験者49,332人に対し合格者は4,990人でした。
合格率が年によって大きく違うのはなぜですか?
第27回32.1%から第28回25.6%のように、1年で6ポイント以上動くことがあります。受験者数の変化に対して合格者数の変化のほうが大きい年があり、その年の試験内容との相性が結果に影響していると考えられます。受験する年を選ぶことはできないため、変動を前提とした準備が必要です。
介護福祉士以外の資格からでも合格できますか?
できます。第28回では看護師・准看護師が2,094人、社会福祉士が857人、理学療法士が618人合格しているほか、保健師、薬剤師、歯科衛生士、柔道整復師、栄養士・管理栄養士などからも合格者が出ています。
合格率と難易度は同じ意味ですか?
同じではありません。ケアマネ試験は受験資格の段階で実務経験5年以上などの条件が課されており、そもそも受験できる人が限られています。母集団がすでに絞り込まれた中での25.6%であることを踏まえると、体感的な難易度は数字以上と考えたほうが安全です。
合格すればすぐにケアマネとして働けますか?
働けません。合格後に都道府県が実施する介護支援専門員実務研修(87時間以上)を修了し、資格登録と介護支援専門員証の交付を受ける必要があります。
ケアマネ試験の合格率についてのまとめ
ケアマネ試験の合格率は、直近の第28回で25.6%、前年の第27回は32.1%と年度による変動が大きく、過去には10.1%まで落ちた年もあります。合格者の64.1%は介護福祉士ですが、看護師や社会福祉士をはじめ多様な職種から合格者が出ています。狙うべきは「合格率20%前後の年でも通過できる水準」です。年1回の試験だからこそ、一度で決める前提で準備を進めましょう。す。自分の勤務日数を数えるところから始めましょう。

