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未経験のケアマネは厳しい?そう言われる5つの理由と、最初の職場選びで差がつくポイント

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監修者

名前 / Name  
大石 智之

実績 / Achievements
介護・福祉業界に入り、現場のホームヘルパーとして介護の実務経験を積む。

その後、デイサービスの立ち上げおよび責任者、訪問介護事業所の立ち上げおよび責任者、福祉用具貸与事業所の責任者を歴任。

さらに、居宅介護支援・訪問介護・福祉用具・デイサービスの各事業を統括する責任者として、介護事業の運営・マネジメントに携わる。

約7年間の勤務を経て独立し、居宅介護支援事業と福祉用具事業を柱として株式会社ログを設立。

設立後は地域に根ざした介護・福祉サービスの展開を進め、現在は居宅介護支援事業所10事業所を中心に、複数の介護・福祉事業の経営・運営を行っている。

現場の介護職から事業所の立ち上げ、管理・統括、そして経営まで、介護・福祉事業に幅広く携わっている。

ケアマネの資格を取ったものの、実務経験がない。資格を取ってから何年もたち、現場に出るのが不安。そんなときに「未経験のケアマネは厳しい」という声を目にすると、一歩を踏み出せなくなってしまいます。確かに、未経験のケアマネがつまずきやすいポイントはあります。ただし、その多くは事前に知っておけば備えられるものです。本記事では、未経験が厳しいと言われる理由と、求人の状況、つまずかないための職場選びのポイントを整理します。


目次
  1. 未経験のケアマネが「厳しい」と言われる5つの理由
  2. それでも未経験のケアマネが求められている理由
  3. 最初の職場選びで差がつくポイント
  4. 未経験からケアマネとして働き始めるための準備
  5. 未経験のケアマネについてのよくある質問
  6. 未経験のケアマネについてのまとめ

未経験のケアマネが「厳しい」と言われる5つの理由

まずは、なぜ未経験のケアマネが厳しいと言われるのかを確認します。理由がわかれば、何に備えればよいかが見えてきます。

理由1:実務研修だけでは実務の流れがつかみにくい

ケアマネになるまでに受ける実務研修では、ケアマネジメントの考え方やケアプラン作成の演習、事業所での実習を経験します。ただ、毎月の給付管理や、複数の利用者を同時に担当しながら締め切りに間に合わせる段取りは、実際に働いてみないと身につきにくい部分です。研修で学んだことと現場の仕事の量や速さの違いに、最初は戸惑う人が少なくありません。

理由2:最初から一人で判断する場面が多い

介護職であれば、同じ時間帯に働く同僚と相談しながら業務を進められます。一方、ケアマネは利用者宅を一人で訪問し、その場で家族の相談に答えたり、サービスの調整を判断したりする場面が多くなります。経験が浅いうちは、この「一人で判断する」ことに強いプレッシャーを感じやすくなります。

理由3:利用者・家族・事業所の間で板挟みになる

ケアマネは、利用者本人、家族、サービス事業所、医師など、立場の違う人の意見を調整する仕事です。本人と家族の希望が違ったり、事業所の都合と利用者の希望が合わなかったりする場面で、どう折り合いをつけるかは経験が物を言う部分です。

理由4:制度や書類のルールが細かい

介護保険制度には、報酬の算定要件や運営基準など細かなルールがあり、書類の作り方を間違えると報酬の返還につながることもあります。制度は報酬改定や法改正のたびに変わるため、覚えることの多さに圧倒される人もいます。

理由5:経験者が多い職場で比べられてしまう

ケアマネの平均年齢は53.1歳で、介護や医療の現場で長く経験を積んだ人が多い職種です。周りのケアマネが経験豊富なほど、自分の未熟さを意識して焦りやすくなります。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)「介護支援専門員・ケアマネジャー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/Occupation/Detail?occupationId=132


それでも未経験のケアマネが求められている理由

厳しいと言われる一方で、ケアマネは人手が足りない職種でもあります。データから、未経験のケアマネにもチャンスがある理由を確認しましょう。

有効求人倍率は6倍を超えている

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、ケアマネのハローワークでの有効求人倍率は6.13倍(令和7年度)です。求職者1人に対して6件以上の求人がある計算で、人材が強く求められていることがわかります。

出典:同上 https://shigoto.mhlw.go.jp/Occupation/Detail?occupationId=132

担い手の確保は国の課題になっている

ケアマネの従事者数は横ばい傾向が続いており、国の審議会でも、ケアマネの担い手確保は喫緊の課題と位置付けられています。更新制の廃止や研修の負担軽減など、人材を確保するための制度の見直しも進められています。

出典:厚生労働省 社会保障審議会介護給付費分科会 第259回 資料6 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001716151.pdf

経験者だけで人材をまかなえない以上、多くの事業所にとって、未経験のケアマネを育てることは避けて通れない課題です。

前職によって強みと補うべき知識は違う

ケアマネの試験の合格者を職種別に見ると、介護福祉士が64.1%と最も多く、看護師・准看護師が16.2%、社会福祉士が6.6%と続きます。

出典:厚生労働省「第28回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187425_00013.html

介護福祉士出身の人は、利用者の生活動作や介護の手間を見立てる力が強みですが、医療との連携で戸惑うことがあります。看護職出身の人は病状の見立てに強い一方、介護保険の細かな制度や福祉サービスの知識を補う必要があります。社会福祉士など相談職出身の人は、面接や調整には慣れていても、身体介護の具体的なイメージを持つことが課題になる場合があります。自分の前職から見て、何を補えばよいかを意識しておきましょう。

前職の経験は「未経験」ではない

ケアマネとしての実務は未経験でも、受験資格を得るまでに積んできた介護や医療、相談援助の経験があります。介護職として利用者の生活を間近で見てきた経験や、看護職として病状を見立ててきた経験は、ケアプランの質を高める強みになります。「ケアマネとしては新人」でも、「対人援助の専門職としては経験者」だと考えましょう。


最初の職場選びで差がつくポイント

未経験のケアマネが厳しさを感じるかどうかは、最初にどんな職場で働くかによって大きく変わります。求人や面接で確認しておきたいポイントを紹介します。

新人を育てる体制があるか

最も大切なのは、新人を育てる仕組みがある職場かどうかです。先輩ケアマネや主任ケアマネの同行訪問があるか、ケアプランを確認してもらえる機会があるか、事業所内で事例を相談できる会議があるかを確認しましょう。複数のケアマネが働き、定期的な会議や事例検討を行っている特定事業所加算の算定事業所は、相談できる環境の一つの目安になります。

担当件数を段階的に増やしてもらえるか

入職直後から多くの利用者を任されると、仕事の流れをつかむ前に業務に追われてしまいます。最初の担当件数と、どのくらいの期間でどこまで増やしていくのかを、面接で具体的に確認しておきましょう。

居宅以外の職場から始める選択肢もある

居宅介護支援事業所のケアマネは、訪問や外部との調整が多く、未経験者にとって負担が大きいと感じることもあります。施設やグループホームのケアマネは、同じ建物で暮らす入居者を担当するため、入居者の様子を毎日確認しながら計画づくりに慣れていけるという特徴があります。最初の職場として、こうした施設系の職場を選ぶのも一つの方法です。


未経験からケアマネとして働き始めるための準備

最後に、未経験からケアマネとして働き始める前に、やっておくと安心な準備を紹介します。

介護支援専門員証の有効期間を確認する

資格を取ってから時間がたっている場合は、まず手元の介護支援専門員証の有効期間を確認しましょう。有効期間が切れている場合は、働く前に再研修を受ける必要があります。2026年の法改正で更新制の廃止が決まっていますが、施行までは現行の仕組みが続きます。

最新の制度の変更点を押さえておく

実務研修を受けてから時間がたっていると、その間に報酬改定や法改正で変わったことがあります。介護保険の基本的な流れと、直近の改正のポイントだけでも確認しておくと、入職後の戸惑いを減らせます。

年代に応じた働き方も考えておく

40代、50代、60代と、年代によって体力や家庭の事情は異なります。訪問の移動手段や勤務時間、担当件数など、自分が無理なく続けられる条件を整理してから職場を探しましょう。週3日などのパート勤務から始めて、徐々に勤務時間を増やしていく方法もあります。

困ったときの相談先を職場の外にも持つ

職場の先輩や上司に相談しにくいときのために、職場の外にも相談先を持っておくと安心です。地域包括支援センターは、地域のケアマネからの相談に応じる役割を持っています。また、地域のケアマネの連絡会や事例検討会に参加すると、同じ悩みを持つケアマネとつながることができます。一人で抱え込まないことが、未経験の時期を乗り越える何よりの支えになります。


未経験のケアマネについてのよくある質問

Q. 未経験でもケアマネの求人に応募できますか?

A. 応募できます。ケアマネの有効求人倍率は6倍を超えており、未経験者を受け入れて育てる事業所もあります。求人票に「未経験可」「研修あり」などの記載があるかを確認しましょう。

Q. 未経験の場合、最初は何人くらい担当しますか?

A. 事業所によって異なりますが、少ない件数から始めて段階的に増やしていくのが一般的です。面接で最初の担当件数と増やし方を確認しておくと安心です。

Q. 資格を取ってから10年以上働いていなくても大丈夫ですか?

A. 働くことはできます。ただし介護支援専門員証の有効期間が切れている場合は、再研修を受ける必要があります。制度も大きく変わっているため、入職前に最新の変更点を確認しておきましょう。

Q. 未経験のケアマネが辞めたくなるのはどんなときですか?

A. 一人で判断することへの不安や、担当件数の多さ、利用者や家族との関係に悩んだときが多いようです。相談できる先輩や上司がいる職場を選ぶことが、長く続けるための大きなポイントです。

Q. 未経験なら施設と居宅のどちらがいいですか?

A. どちらにもメリットがあります。居宅は在宅生活を支えるケアマネジメントの経験を幅広く積めます。施設やグループホームは、入居者を毎日見ながら計画づくりに慣れていけます。自分の性格や生活に合わせて選びましょう。


未経験のケアマネについてのまとめ

未経験のケアマネが厳しいと言われるのは、実務の流れや一人での判断、板挟みや制度の細かさに戸惑いやすいからです。一方で有効求人倍率は6倍を超え、未経験者を育てる職場もあります。新人を育てる体制や担当件数の増やし方を確認し、施設系やパート勤務から始める選択肢も含めて、自分に合った最初の職場を選びましょう。


執筆者
ケアマネクスト編集部
ケアマネクスト編集部
ケアマネとして働く方のキャリアの「次」と、事業所のこれからの「次」。
その両方の後押しになるよう、試験や制度、働き方、事業承継の情報をお届けしています。
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